前回のブログでは、初めてのお取引先から「信頼できるのか?」と疑われ、悔しくて眠れなかった日のことを書きました。 業界全体に蔓延する不信感。その煽りを食って、真面目にやっている私たちが疑われる理不尽さ。 正直、心が折れそうになることもあります。
でも、この仕事には、そんな悔しさを一瞬で吹き飛ばし、「やっていてよかった」と心から思える瞬間があります。 今日は、そんな私の宝物のようなエピソードをお話しさせてください。
画面越しの商談、見えない車への不安
先日、あるお客様から「探してほしい車がある」とご依頼をいただきました。 車種やグレードだけでなく、ご予算もかなりシビアな条件でした。
私たちは、独自のネットワークを駆使して、候補車両を探し出しました。 しかし、ただ見つければいいわけではありません。 現車を見られないお客様の代わりに、私たちが「目」となり「耳」とならなければなりません。
「エンジンの異音はないか?」
「タバコの臭いはついていないか?」
「写真に写らない小傷はどこにあるか?」
出品店に何度も電話をかけ、しつこいくらいに状態を確認しました。(現車確認をすることがほとんどです)さらに、ご予算内に収めるために、仕入金額のご相談を行い、陸送費も最もコストパフォーマンスの良いルートを手配しました。
正直、かなり骨の折れる作業でした。 しかし、「CAR GATEに頼んでよかった」と思っていただくためには、この見えない泥臭い作業こそが、最も重要なのです。
答え合わせの瞬間
そして迎えた納車の日。 陸送トラックから降ろされた車を前に、事業者様が到着されました。
この瞬間が、私たちは一番緊張します。 私たちが自信を持って仕入れた車ですが、まずは事業者様のイメージと合致しているか。 画面越しで伝えた情報と、実物にズレはないか。 まさに、私たちの仕事の「答え合わせ」の瞬間です。
事業者様は、車をぐるりと一周し、運転席に座り、エンジンをかけられました。 沈黙の時間が、永遠のように感じられました。
やがて、車から降りてきたお客様の顔が、パッと明るく綻びました。 「いやぁ、写真で見るよりずっと綺麗だね!」 「エンジンも静かだし、内装も新車みたいだ。想像以上ですよ」
その言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた緊張の糸が解け、安堵感が全身に広がりました。 ご希望の車を、ご希望の状態と価格でお届けできた。プロとしての責任を果たせた瞬間でした。
帰り際の、魔法の言葉
私がその事業者様から帰る時、私の方を向き、真っ直ぐな目でこう仰ってくださいました。
「いろいろ無理を言ったけど、最後まで丁寧に対応してくれてありがとう。 君のところは、本当に『安心出来る』ね。ありがとう」
不意打ちでした。 その「安心出来る」という言葉を聞いた瞬間、鼻の奥がツンとして、視界が少し滲んでしまいました。 いい大人が恥ずかしい話ですが、本当にウルっときてしまったのです。
前回のブログで書いた通り、今の時代、顔の見えない相手から「安心」や「信頼」を得ることは、本当に難しいことです。 だからこそ、お客様の口から自然に出たその一言は、私たちが積み重ねてきた努力が間違いではなかったことを証明してくれる、何よりの勲章でした。
「疑われる悔しさ」を知っているからこそ、「信じてもらえる喜び」は、何倍にもなって心に響きます。
私たちは、車の売買を通じて、この「安心」という目に見えない価値をお届けしています。 あのお客様の笑顔と、いただいた言葉を胸に。 今日もまた、一台一台、誠実に、泥臭く。皆様の「安心」のために走り続けようと思います。

