他社が気付かなかった、事故歴に気付いた話

愛車を手放す際、多くのお客様が不安に思われること。 それは「自分の車に、事故歴(正しくは『修復歴』)があるかどうか」でしょう。

「この小さなキズや凹みは、修復歴になるのだろうか?」 「昔、少しぶつけたことがあるが、申告した方がいいのだろうか?」

この「修復歴」の有無は、査定額に最も大きな影響を与えるため、お客様がナーバスになるのは当然です。 そして、この見極めこそが、私たち査定業者の「真価」が問われる瞬間でもあります。

先日、この「修復歴」を巡って、お客様の未来のトラブルを未然に防ぐことができた、象徴的な出来事がありました。


一時的な「高値」と、隠されたリスク

ある日、お客様から車両査定のご依頼をいただきました。 すでに一括査定などを利用し、数社の見積もりをお持ちの状態です。

その中には、一社(仮にA社とします)が提示した、他社を圧倒する「非常に高い査定額」がありました。お客様がその金額に期待されるのは当然のことです。

しかし、私たちがCAR GATEの基準に基づき、その車両を丁寧に拝見したところ、ある「違和感」に気が付きました。 一見すると非常にキレイに修理されており、素人目にはまず分かりません。A社も、恐らくここを見逃したのでしょう。

私たちは、トランクフロアの内部、フレーム先端のシーラー(充填剤)の不自然な波打ち、そして特定のボルトが一度外された(塗装が剥げている)痕跡を、見逃しませんでした。

それは「明らかな修復歴」のサインでした。


「見逃し」が引き起こす、最悪のトラブル

ここで、お客様にとって最も重要な分岐点が発生します。

もし、お客様がA社の「修服歴を見逃した(あるいは、あえて見ないフリをした)高値」を信じて契約したら、どうなっていたでしょうか?

多くの場合、最悪のシナリオが待っています。

車両を引き渡した後、数日経ってからA社の担当者から電話がかかってきます。 「お客様、お預かりしたお車を自社工場(あるいはAA=オートオークション)で検査したところ、申告のなかった『修復歴』が見つかりました」 「これは契約時の重大な瑕疵(かし)にあたるため、当初の金額では買い取れません。50万円、減額させていただきます

これは、中古車買取の現場で「契約後の減額(クレーム)」と呼ばれる、最も悪質な手口の一つです。 彼らにとって、最初の「高値」は、お客様を他社から引き離し、契約書にサインさせるためだけの「見せ金」に過ぎません。後から減額することを、最初から織り込んでいることもございます。

お客様は、すでに車を手放してしまっているため、交渉上、非常に不利な立場に置かれます。「それなら車を返せ」と言っても、「すでに次の流通に乗せてしまった」などと言われ、泣く泣く減額を受け入れるしかなくなるケースも少なくありません。


CAR GATEの査定は、なぜ「結果的に高値」になるのか

私たちは、発見した修復歴の箇所をお客様に具体的にご覧いただき、すべてを正直にお伝えしました。

「お客様、残念ながらこのお車には修復歴がございます。A社さんの金額は、恐らくこれを見逃した金額です。もしそのまま売却されると、ほぼ間違いなく、後で大きな減額交渉をされることになります」

そのうえで、私たちは「修復歴があること」を前提とした、適正かつ最大限の買取価格を提示しました。

「え、修復歴があるのに、それでもこの金額が出るの?」とお客様は驚かれました。

その通りです。 なぜなら、CAR GATEは「修復歴があるから、一律で大幅減点する」という旧来の査定方法を採っていないからです。

私たちは、その修復歴が「走行にどの程度影響するのか」「どのレベルで修復されているのか」を正確に見極めます。 そして、その車を「修復歴車」として正しく流通させる国内外の専門バイヤーや、あるいは「部品」としての価値を評価する独自の販売ルート(ゲート)を多数持っています。

「修復歴があるから叩く」のではなく、「修復歴があっても、この価値がある」と判断し、その価値を最大限引き出す。それがCAR GATEの査定です。


表面的な「高さ」より、確実な「安心」を

最終的に、お客様は私たちCAR GATEを選んでくださいました。 A社が提示した「見せ金」よりは低い金額です。しかし、「後から減額されるかもしれない」という不安の中で数日間を過ごすストレスと、減額された後の「最終的な手取り額」を考えれば、私たちの提示した「確定金額」こそが、結果として最も「高く」、そして何より「安心」できる取引であるとご判断いただけたのです。

車の査定額は、その瞬間の「高さ」だけで選んではいけません。 その金額が「何を根拠に」「どこまで保証されたものなのか」を誠実に説明できる、専門性を持ったパートナーを選ぶこと。

CAR GATEは、他社が見逃す(あるいは、あえて見ないフリをする)細部まで見抜き、お客様が後々トラブルに巻き込まれるリスクをゼロにしたうえで、最大限の価値をご提供することをお約束します。

CAR GATE 一同